【後悔していることは何か?】

【後悔していることは何か?】

年配者が後悔していることは何でしょうか?

作家のジョージ・ソーンダーズは、

自身が後悔していることについて、

著書

『人生で大切なたったひとつのこと』
( 訳者 外山滋比古・佐藤由紀 海竜社)

の中で、こう述べています。

「としよりとつきあっていいこと、

といえば、

おカネを借りることや、

昔のダンスのひとつも踊らせて、

それを見て笑いとばすことくらいでしょう。

実は、

あなたがたの役に立つことがもうひとつあります。

『人生を振り返って、あなたが後悔していることは何ですか?』

とたずねることです。

すると、

としよりはきっと答えてくれます。

ときには、

聞かれなくても話すものです。

それだけはやめてくれと頼んだって、

話すかもしれませんね。

そこで、

わたしが後悔していることは何か?

貧しい暮らしをしていたこと?

うーん、ちがいます。

『食肉処理場の脱骨作業員』という、

どんでもない仕事に就いたこと?(それがどういうものかは、聞かないでください)

いいえ、

それも後悔していません。

スマトラ島の川を素っ裸で泳いだこと?

もの音がしてふと見あげると、

三百匹ものサルがパイプラインに腰かけ、

川にウンチをしていました。

当のわたしは、

その川で大きく口を開けて息をしながら泳いでいて、

しかも裸でした。

そのあと生死をさまようほどの病気となって、

七ヶ月間も闘病生活をしたことでしょうか?

もちろん、ちがいます。

ときたま恥ずかしい姿をさらしたことでしょうか?

たとえばあるとき、

大観衆の前でアイスホッケーをしていて、

観客席にはその当時、

好きだった女の子もいて、

転倒しながらもウォーッという奇妙な声をあげてオウンゴールを決めてしまい、

さらに、

ふっとばした自分のスティックが観客席にいるその女の子にぶつかりそうだったことでしょうか?

いや、それだって後悔していません。

本当に悔やんでいるのはこういうことです。

わたしが小学七年生のときです。

クラスに女の子が転校してきました。

個人情報保護を考えて、

この卒業式スピーチではその子の名前をエレンということにしましょう。

エレンは体が小さくて恥ずかしがりやでした。

当時はおばさんしか使わない、

両端がつりあがった青いフレームのメガネをかけていました。

緊張すると、

髪のはしっこを口に入れてかむクセがありました。

そして、

ほとんどいつも緊張していました。

エレンは、

わたしたちと学校も同じだし家も近くでしたが、

みんなからはほとんど無視され、

ときどきからかわれていました(『おい、おまえ、髪がうまいのか?』といった具合です)。

こうした仕打ちがエレンを傷つけたことは、

わたしにもわかりました。

侮辱をうけたときの様子を覚えています。

目をふせ、

腹をけられたような苦痛の表情をうかべ、

自分の居場所がそこではないと思い知らされ、

できることなら消えてしまいたい、

と思っているようでした。

しばらくすると、

髪をくわえたままいなくなりました。

家ではこんな会話をするのだろうな、

と想像していました。

お母さんが

『きょう、学校はどうだったの?』

と聞くと、

エレンは

『ああ、ふつうよ』

という。

お母さんは

『お友だちはできたの?』

とたずね、

エレンは

『もちろん、たくさんね』

と答える。

ときどき、

エレンが、家から出るのをためらうように、

庭の芝生にひとりでたたずんでいるのを目にしました。

そして、

エレンの一家は引っ越しました。

それでおしまいです。

悲劇もないし、

別れ際にひどいいじめがあったわけでもありません。

エレンはある日、そこにいて、

次の日にはもういませんでした。

これで話はおわりです。

では、なぜ、

わたしはそれを後悔しているのか?

なぜ、

四十二年後のいまでもあのときのことが頭を離れないのか?

ほかの大半の同級生にくらべて、

わたしはエレンによくしたほうでした。

ひどいことはひとこともいいませんでした。

実をいうと、

ときどき、

エレンを(控えめに)かばったことだってあります。

それでも、気になるのです。

ちょっと感傷的で、

うまくいえないかもしれませんが、

心から伝えたいのはこれです。

わたしが人生でもっとも後悔しているのは、

『やさしさがたりなかった』

ということです。

目の前にだれかがいて、

そのひとが苦しんでいる。

そのときに、

わたしはどんなふうに応えたのか⋯⋯

まあ、ほどほどに?

冷たく?

それとも控えめに?

では、

望遠鏡を反対側からのぞいてみましょう。

あなたの人生で、

いちばんに温かい気持ちで、

もっとも好ましいひととして覚えているのはだれですか?

あなたに対してだれよりもやさしかったひとでしょう、きっと。

簡単そうに見えて、

実践するのは本当に難しいのですが、

『もっとやさしいひとになること』

を、

人生の目標のひとつにしてみてはどうでしょう。」(8頁〜22頁)

どうすれば、

もっと愛情があって、

もっと心を開いて、

自分勝手でない、

思いやりのある人になれるのでしょうか?

社会全体の優しさを実際に増やす方法論と実践法を一緒に考えてみませんか?

『どうすればもっと優しい人になれるか、
どうすれば心を開いて、
もっとも愛情があって、
寛容で、
何をも怖れない自分を引き出せるのか、
答えを見つけ、
そういう人になることに比べたら、
他のことなど意味がない、
とでもいうように、
追い求めてください』
(ジョージ・ソーンダーズ)

(推薦図書)
『人生で大切なたったひとつのこと』
(著者 ジョージ・ソーンダーズ 訳者 外山滋比古・佐藤由紀 海竜社)
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